世界のこと(14)

■世界のこと

フィリピンのボクシング事情を手短に言うとね、例えば自宅の庭がジムなのです。というのはインフラが悪いからパブリックジムに行くのは週に2回とか3回、スパーリングしに行くわけですよ。普段は元ボクシングをかじった親戚がミット持ったり、家にサンドバッグがあったり。そういう中からでも選手は出てくるのです。

フィリピンの選手というのは対サウスポー戦術というのが結構上手いのです。というのはサウスポーの比率が多いのですよ。パッキヤオの影響もあるけれどサウスポーが多いのですね。

(アフリカのボクサーについて)やはり長距離に見るように手足が長いのです。細身ですよ。それでボクサータイプ。英国からボクシングを学んだ伝統でストレートパンチャーが多いのです。ボクサータイプが多いのです。

メキシコのトレーナーが教えるのが上手いのはフェイントなんですよ。ただ右出す格好して左出すとか、上出す格好して下出すとかそんな単純なことでは無しに、ちょっと複雑なのですよ。

メキシコの歴史を見ると1960年くらいまで薄いグローブでガチンガチン打ち合いさせていたのです。そしたら選手が痛むということで長老会議をやったのですよ。もっとテクニカルにボクサーを守ろうじゃないかというので方向転換したのです。そこで出てきたのがカルロス・サラテとかミゲル・カントとか、だから攻防兼備のボクサーはそのあたりからなのです。それまではメキシカンというのはファイターばかりだったのですよ。長老会議の話しですが、ルペ・サンチェスはジョー・メデルを作った、クーヨ・エルナンデスはカルロス・サラテを作った、パンチョ・ロサレスはラトン・マシアスを作った。当時それだけ有望なマネージャー兼プロモーターがいたのですよ。それがボクシングの将来を考えてもっとメキシコのボクシングはテクニカルにならないと、こんな薄いグローブで打ち合いばかりではみんな壊れてしまう。そこでテクニシャンに方向転換したのですよ。それが歴史的に偉いことだと思いますよ。今日のメキシコのボクシング王国の礎を作ったのは3人の長老会議なのですよ。

イギリスは体格的にウェルター以上、ミドル、ライトヘビー、あたりの選手層が厚いですよね。

英国の重量単位で14ポンドをストーンというのです。10ストーンが140ポンドでスーパーライト級、8ストーンが112ポンドでフライ級、だから14おきに階級が決められたわけです。

例えばナジーム・ハメドはイエメン系なのです。英国社会はある種の移民社会なのです。だからインド系、パキスタン系がいるでしょう、そういう選手がボクシングでスターになるとお客さんが集まるのですよ。だから商業政策として何々系を育てるのは手段なのです。

私英国ボクシングニュースという週刊誌があるのですよ。これ長年購読しているのですけど、最近英国選手の名前がアングロサクソンでなくてアブドゥラとかアシュファクとか、だからあまり何系であるとか言わないのですよ。というのは人種差別という問題がある。ただ移民の息子たちがボクシング始めてそこそこの選手になってきているのです。

イギリスは軽いクラスから重いクラスまで世界ランカー本当に網羅しているのですよ。だからやっぱりボクシング王国と言いますか、アップライトのストレートパンチャー、オーソドックスなアップライトタイプが多いですよね。

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